映画「プラダを着た悪魔」×「ココ マドモアゼル」と「No.5」
めくるめく豪華ファッションは必見! プラダを着た“悪魔”のような女性と、その下で働くことになったヒロイン。そんな2人に捧げる香水はもうこれしかない!? 恋に仕事に、毎日を一生懸命生きている全ての女性に贈るビューティフルムービー!
2019年04月01日更新
[1]ストーリー
出典 cinema.sugai-dinos.jp/pc/blog/detail.php?id=12233&d=201612
2006年に公開された映画「プラダを着た悪魔」。
原作は2003年に刊行されたローレン・ワイズバーガーによるアメリカの小説で、モード界に多大な影響力を持つ『ランウェイ』というファッション誌のカリスマ編集長ミランダ(メリル・ストリープ)と、彼女の下で働くことになったヒロイン、アンドレア(アン・ハサウェイ)を中心に物語は展開していきます。
頭は良いけど地味でパッとしないアンドレアが、ミランダにどのようにしごかれ、一緒に仕事をしていくにつれてどう変わっていき、恋と仕事の狭間でどういう決断を重ねていくのか──。
というのがこの映画の見どころでもありますが、それとは別の注目ポイントが、そう、ファッションです!
タイトルにもあるプラダをはじめ、シャネル、エルメス、イブサンローラン、グッチ、ディオール、ヴェルサーチ、カルバンクライン、ジミーチュウ、ケイトスペード、ミュミュウ、…と、数えきれないぐらいのハイブランドが次から次へと登場し、それはもうため息が出るほどゴージャス!
計算され尽くした美しいシルエットや、画面からでも伝わる気高さや質の良さなど、なかなか一般人にはハードルが高いブランドの服やアクセサリーは、これでもかと言うぐらい目を楽しませてくれて、ハイファッションにあまり興味がない私もすごくワクワクしました。
ファッションってこんなに面白いんだ、
ファションでこんな風に変われるんだ、
女性として生まれたからには思い切りファッションを楽しまないと!
などなど、別世界のあまり普段は考えもしなかった華やかなモード界やファッションに対する憧れや価値観を見つめ直す機会にもなりました。
そんなめくるめく“豪華絢爛なファッション”と、“仕事と私生活の間で悩み闘う女性”の生き方が見事にコラボされたこの映画は、世の中の働く女性から大きな共感を集め、賞賛を浴びています。
[2]主人公アンドレア
出典 tadamonkugaiitakute.com/19929.html
大学のジャーナリスト学科を首席で卒業するほど賢く、本当はジャーナリスト志望でファッションにはまるで無関心ですが、自身のキャリアのためにひとまず「ランウェイ」で働こうと応募します。
ものすごい倍率であろう中から見事書類審査をパスし、いざ面接に行くんですが、あまりに自分とはかけ離れた世界を目の当たりにし、ヤバイ!とんでもない所に来ちゃった!無理無理!
…となるんですが、何だかんだでそのまま採用されてしまい働くことに。
ただ、さすがに一流誌の編集部はとてもきらびやか。
「ランウェイ」が作る雑誌からそのまま抜け出したようなオシャレなスタッフばかりで、アンドレアは見てるこっちが恥ずかしくなるほど、あまりにも場違いでダサいんです。
そんなアンドレアに対し、ミランダはじめ先輩のエミリー・チャールトン(エミリー・ブラント)からは大クレーム。
誰もが羨む「ランウェイ」の編集部で働くというのに、アンタのそのダサい姿は一体何!? 自覚とプライドを持ちなさい!と厳しく当たられます。
そこでアンドレアは心を入れ替え、同じ編集部で働くファッションディレクターからスタイリングの手ほどきを受けます。メイクは完璧に、髪型はファッショナブルに、服、靴、カバンは一流ブランドでフルコーディネイト。
するとまぁ、同一人物とは思えないぐらいに華麗な変身を遂げるんです。
出典 fanpop.com/clubs/the-devil-wears-prada/images/34410142/title/miranda-photo
この変身っぷりはこの映画の見どころの一つ。
たっぷり目の保養させていただきました♡
そして、最初はファッション業界にもミランダのやり方にも反抗的なアンドレアでしたが、いつしか仕事に夢中に…と言うより、何はさておいても仕事を優先するしか選択の余地が無い状況になっていくんですが、そんなアンドレアを同棲中の彼氏はあまり良く思ってくれません。案の定すれ違いが起き、ギクシャクし始めます。
出典 mine-3m.comminenewsimagenews_id=16630.
[3]プラダを着た悪魔ミランダ
出典 fanpop.com/clubs/the-devil-wears-prada/images/34410142/title/miranda-photo
容赦ない物言いと無理難題を平気で言ってのけ、スタッフはそれに対して絶対服従!
「NO」と言うことは不可能!彼女の放つ一言一言に皆てんやわんや!
全ファッション関係者から畏怖の念を抱かれ、同時に恐れられているミランダですが、憧れる人はゴマンといて、彼女の下で働くということは世界中のファッショニスタから羨望されるということ、この上ないステイタスでもあり名誉なことなんです。
まさにファッション界のドンと言っても過言ではないモード界の重鎮。
とにかくものすごいお方なんですが、私生活では離婚も経験し、まだ幼い双子の娘を育てる母親でもあるんです。多忙ながらも娘のことはとても大事にしていて、夫にもどちらかというと控えめな態度。そう、仕事モードの時とは正反対!
鉄の女の裏の姿は、普通の女性と何一つ変わらない脆さや弱さを持つイチ女性に過ぎなかったんです。
そのギャップがとても人間っぽく、魅力的でした。
また、ミランダのモデルとなったのは「VOGUE」の編集長、アナ・ウィンターだと言われています。
原作者のローレン・ワイズバーガーが「VOGUE」でアナと共に働いた経験を生かしこの小説を書いたのでそう噂されていますが、アナ本人はそれに対して明言はしていないようですね。
出典 4meee.com/articles/view/326103
[4]そんな二人へ贈りたい香水は──。
出典 harpersbazaar.jp/fashion/devil-wears-prada-facts-160708
私はいつも映画を観る時に、このシーンにはこんな香りがイイなと映像に香りを重ねてみたり、あの映画のイメージはこの香りがピッタリだなと、その映画にふさわしい香りを考えることがよくあります。
そうすることによって、その時々の風景や登場人物の心情がより具体的なものになったり、映像もより美しく効果的に、印象的なシーンとなって記憶に深く刻まれる場合もあります。
香水をつける、というのは英語だと「wear」、「着る」と表現します。
つまり香水は“ファッション”だということ。
なので、ファッションにまつわる映画は当然香りもイメージしやすく、この「プラダを着た悪魔」も観ている最中に自然と香りが浮かんできました。
次々登場する色んなファッションに似合いそうな香りを考えるのも楽しいと思いますが、まず主人公アンドレアに対して私がイメージしたのは、CHANEL「ココ マドモアゼル」です。
「ココ マドモアゼル」/CHANEL
アンドレアの賢さや『変身後』のエレガンスな雰囲気、”可愛い”、”キレイ”、どちらとも言える美貌、モデル顔負けの美しいスタイル…
それらは真っ先に「ココ マドモアゼル」を思い浮かべさせました。
「ココ マドモアゼル」は、バニラ、トンカビーンがアクセントとなり忘れがたい不思議な余韻を残す香りで、“フローラル”というには少し違和感をおぼえるフレッシュオリエンタルノート。
少しクセがあるんですが、どこかあどけなさが残るアンドレアのファニーな雰囲気にピタッとハマってしまいました。
そういった外見的なものだけではなく、泣いたり笑ったり悩んだりしながら我が道を切り開いていくアンドレアの芯の強さもまた「ココ マドモアゼル」が放つそれと通じるものがあるなと思います。
心が弱々しい人には似合わないですからね、この香水は…。
出典 matome.naver.jp/odai/2143159859015125501/2143161360335348603
そして何と言ってもこの映画は、プラダを着た悪魔=ミランダあっての映画です。
彼女なくしてはストーリーが成り立ちません!
そんな彼女から放たれた香りは…CHANEL「NO.5」です。
「NO.5」/CHANEL
え?ここはPRADA(プラダ)じゃないの?と思われるかもしれませんが、私がPRADA(プラダ)の香水を持っていないというのもありますが、香水界一の香水「No.5」をおいて他には思い浮かびませんでした。
ジャスミンとアルデハイドからなる贅沢なフローラル・アルデハイド「No.5」は、気品、プライド、美しさなど、まさにミランダのような絶対的な存在ですが、トップノートの印象とはうって変わり、ラストノートはそっと頭をなでられているかのような心地良さと、愛情や温もりを感じる優しい香りです。
ミランダがスッピンで涙ぐむシーンがあるのですが、カリスマでも悪魔でもない一人の女性の弱さや脆い部分が垣間見え、観ている側としてはどこかホッとするシーンでもあるんですが、そこが「No.5」のラストノートと見事なまでに合致するんですよね。
ミランダの『仕事での顔』と『家庭での顔』、それが「No.5」のトップノートとラストノートなんです。
映画の中で香水をまとうシーンは登場しませんが、私の中では「No.5を着た悪魔」と言えるぐらい「No.5」はミランダそのものでした。
[5]香りと人生を重ねてみる
この映画はアンドレアとミランダという、年齢やキャリア、考え方など全てにおいて対照的でありながらも、「自分」というものをしっかり持ち、自分の手で人生を切り開いていくという共通点を持つ二人の女性を描いたものですが、「ココ マドモアゼル」と「No.5」もまた、彼女たちのように、個性は違えどどちらも確固たる存在感とプライドを持つ素晴らしい香水です。
それぞれの主張や長所、背景、個性など、一つ一つ違うのに意外なところで共通点があったり、異なる香りが出会い、思わぬところで面白い化学反応が出たり。
そう考えると香水は人間に、人間は香水に例えることもできるんですよね。
自分や、誰かの人生と香りを重ねて考えるのって、ちょっとワクワクしませんか?
少し違った角度から自分のことやその人のことをイメージできるような気がします。
この映画のラストシーンのその後の2人の人生が、どのように展開されるのか…。
この先もずっとCHANELの香りが似合うような女性であり続けるのか、
全く別の香りが似合う女性になっていくのか、
良くも悪くも香りなんて全くイメージできないような人生を送るのか…
そんなことを考えながらこの映画の余韻を楽しんでいます。
まだ観ていない方も、既にご覧になった方も、自分なりに香りをイメージしながらこの映画を楽しんでみて欲しいと思います。